#1 プロローグ

 ――あれは、避けられたはずの厄災だった。

 「こんなのいらない! こんなのいらないから置いていかないで!!
 わたしだけ置いていかないでええええ!!!」
 泣きじゃくる少女と、それを支える男。
 命があるのは、その二人だけだった。

 辺り一帯は瓦礫の山で、あちこち火の手が上がっているのに、
 二人の足元だけは、凍てつくように冷たかった。

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